主な研究発表内容
HOME > 主な研究発表内容 > フコイダンの免疫賦活作用

沖縄モズク由来フコイダンの抗癌および免疫賦活作用

分子量および成分の相違による生物活性の違い

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子免疫学分野教授  東 みゆき先生

【目的】

フコイダンは、フコースを主構成糖とする硫酸基やウロン酸結合多糖体であるが、抗癌作用、抗凝血作用、抗血栓作用、抗血管形成作用、免疫賦活作用など、さまざまな生理活性が報告されている。生理活性の発揮に、分子量の違い、硫酸基結含量やフコース量などの違いが関与していることを示唆する報告があるが、詳細は明らかではない。
本研究では、分子量および構成成分の違いによる抗癌および免疫賦活作用への影響について検討した。


【方法】

分子量・成分の異なる沖縄モズクフコイダンCo3(分子量約3万)およびCo16(分子量約16万)(沖縄発酵化学)と、ヒバマタ由来フコイダンFv3(分子量約3万)(シグマ)を使用し、フコイダン添加による癌細胞および正常リンパ球のin vitroでの反応と、担癌(胆癌)マウスにおけるin vivoでのフコイダン摂取効果を検討した。

【結果および考察】

沖縄モズク由来のCo3およびCo16は分子量にかかわらずウロン酸含量が高く、また硫酸含量が低かったが、ヒバマタ由来のFv3は硫酸含量が高く、ウロン酸含量が低値であった。
Fv3は正常活性化リンパ球および癌細胞株の増殖反応に対して、アポトーシス誘導による強い抑制作用を示した。これに対してCo3およびCo16は低濃度では増殖能の高い癌細胞や活性化リンパ球に対する増殖抑制効果は弱いものの、正常未刺激Tリンパ球に対して増殖を促進し、マクロファージからのTNF-a、IL-10 、IL-6、MCP-1などの炎症性サイトカイン産生を誘導した。
扁平上皮癌移植マウスにおけるフコイダンの径口摂取ではCo16が最も腫瘍増大を抑制した。
この結果から、ウロン酸含有率が高い沖縄モズクフコイダンでは、Tリンパ球に対するマイトジェン活性、およびマクロファージからのサイトカイン産生からなる免疫賦活作用が優位であり、一方、硫酸含有率が高いヒバマタ由来フコイダンは、アポトーシス誘導作用が優位であることが示された。

ページ上部へ